走れ!
いつも同じ時間に同じ電車、バスを利用していれば、いつも見掛ける人もいるかもしれない。最近はみんなスマホを見ているので気付かない人達も多いかもしれないが、27、8年程前の出来事を思い出したので、古い話しで恐縮ですが載せたいと思います。
当時、私は総武線沿線に住んでおり、その頃の駅は結構空いていて、私の乗車するドアからは3,4人位しか乗車しなかったと思う。
その中の一人にOL風の女性がいて、大体同じ同じ車両に乗り合わせていました。
別にタイプでもなく、気にもしていなかったので、今日も見掛けた位の感じで通勤していました。
その駅はホームに出るのに、改札口から階段を上がってホームに出る駅でした。
そして私がいつも乗車する車両は先頭車両で、階段から遠い位置にありました。
そんなある日の事。いつも乗る電車にちょっとの差で遅れ、階段を上がっている途中で扉が閉まってしまい、次の電車でも間に合うので、急ぐ事も無くいつもの様に階段を上がっていたら、前方にいつも見掛ける女性が一人でいつもの所に立っているのです。
事故で電車が遅れて乗れなかったという事もなく、私がホームに出た頃に電車が発車しているので余裕で乗れたはずなのに、そこに立っているって…。
「えっ!? なぜ乗らなかったんだ? 余裕でしょ今の車両。 あれ? え? まさか? いやいや! え? 何々? あれぇ? 俺? え~待ってたとか? まさかねぇ」
女性はいつもの様に前を向いて立っており、何事もなかった様にいつも通り次の電車で
一緒に乗車しました。💛
それから気にし始めたのは言うまでもありません。男は単純です。
しかし、声を掛ける事もなく、同じ通勤を繰り返していました。
でも、あの時の思いは次第に強くなり、いつ、何処で声を掛けるかを考えていました。
これが私の勘違いだったら乗る前に声を掛けたら乗車中気まずいし、車中は無理だし、先に私が下車するので、それからは無理だし、でも、たまに目が合うし……と悶々と考えていたある日の事……。
さあ、ここから走れ! - YouTubeをBGMにどうぞ。
当時は仕事の帰りにお客様の所へ届け物をしたりして、そのまま直帰という事があり、その日も総武線でお客様の所へ行き、そのまま直帰をした時の事。
私はドアの横に立って本を読み、四ツ谷駅でドアが開いたので本から目を離し、乗り降りの邪魔にならない様にしていた時、なんと、あの女性が乗って来たのです!!
そして目の前のドアの横に立って本を読み始めたのです。何という偶然!
こんなストーリ、深夜ドラマでも採用しない位の偶然です。
それは神様の存在を信じた瞬間でした。
ついにしびれを切らした神様が味方してくれたのだ!
切っ掛けが動き出したのです。
もう、心臓バクバク💛です。
これで声を掛けなきゃ男じゃない!(男女差別と言われようが関係ない!)
おそらく100人中99人から罵倒の嵐に合うだろう。
何よりもこれだけのチャンスを与えてくれた神様から罰が当たるというものだ!
目は本に戻したけど、当然文字なんて頭に入らない。
そしてついに下車駅に…。
女性が先に降り、その後から私も降りて声を掛けましたよ。
「こんばんは」
「………………………………………」(無視?)
「? あの…、私の事知りません?」
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「知りません!」
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神の存在を信じなくなった瞬間でした。(泣)(´;ω;`)ウゥゥ
次の日。いつも通り出勤すると昨日の女性もいました。
何か気まずいなぁと思いつつ、いつも通りの乗車口へ。
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その時、女性が私に気付き「あっ!昨日の方ですか?」
「はぁ…。いつもここで会ってたんですよ」
「そうだったんですか。…」
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………などという事は無く、
全くいつも通りの出勤に戻りましたとさ………。
何なんだよ?何で、来た電車に乗らなかっただよ!?
でも、声を掛けた事は人生の進歩だよ!
ねっ!? そうですよね!?
追記:当時、東京少年というバンドが気に入っていてよく聴いていたのだが、その一曲に「れんがの学校」というのがあって、
♪「毎日朝が辛かった、君と会うのが辛かったけれど。」
という歌詞があって……、それは今も思い出す。