先月、逃走犯の樋田容疑者の身柄が確保されたニュースがありまして、それでちょっと思い出した事があります。
それを当時の日記を参考に記したいと思います。
（今回のニュースとは一切関係ありません。ただ思い出しただけです。）

2009年に自転車で日本一周していた時の事。
鹿児島県の道の駅で一泊した時、4時ごろ目が覚め入口の方で自転車のキキーッという音。そしてスタンドを掛ける音がして、誰か来たのかと思ったがそのまま寝ていて4時半頃起床。まだ外は暗い。
トイレに行こうとしたら自転車置き場で声を掛けられびっくりした。先程の自転車の人だった。
トイレを済ませ寝た所のベンチに戻り、夜が明けるのを待っていたら、先程のおっさんがやって来てベンチに座った。
最初は「どこから？」と訊いてきたが、そのうち自分の事を話し出した。

しかし、訛りがひどくて半分位聞き取れなかったが、宮崎県からキィキィー鳴る自転車で長崎県の方を回ってここまで来たとか。
十数万円持ってホテルに泊まり、温泉入って美味い物食って、寿司は高いとか景気良い話しをしていた。
途中パンク修理で5千円取られたそう。（自転車屋ではないようで完全にボラれてる。普通は800円位）しかも着替えも無し。
怪しすぎる…。十数万のお金も、まともなお金ではなさそうだし…。

そして今は金が無くなり、水だけで来たそうで「近くにパン屋が無いな」と言っていた。パンの耳を貰うそうだが、まだパンの耳を食べた事が無いとの事で「うまい？」と訊いて来た。
パンの耳の名前を知らないんじゃないか？と思った。

そして、私の所持金を訊いて来た。
さすがに数千円は嘘バレバレと思ったので「〇万円です」と言ったら、「〇万円かぁ」
と繰り返し呟いている。
今思えば「あんたに関係無いだろ」と教える事も無かったんだけどね。

夜が明けて来て明るくはなって来たけど、周りには民家すらない。
出発準備の作業を早めていると、「300円くれないかな？」

キタ――(ﾟ∀ﾟ)――!!

当然断った。300円と言えば朝食代1食分。
散々美味い物食って自業自得でしょ。まだ餓死はしないだろうと思っていたら、

「ダメか―。もうタバコ買う金も無いし、吸い殻も落ちて無いんだよなぁ」

ニコチン中毒で死んでください…。
「タバコなんかやめた方が良いですよ」と言って私は出発しました。